命短き、花初恋。
「はぁぁっ…」








来てしまった。








でも、このインターフォンを押さなければ…








何も変わらない。








だから。








ピンポーンっ…








「はい。」








優しい声。








綺麗に整った顔が、玄関から除く。








「桜…」








私は無理に笑顔を作る。








「えと、作品の進捗状況はいかがですか?」








「…上がって行かない?」








「…」








「お願い。話したいことがあるから。」








「…わかり、ました。」








私は促されるまま








家の中へ足を踏み入れた。








「夏笑、さん…でしたっけ?いらっしゃらな








いんですね。」








「うん。帰したから。」








「そう、ですか。」








聞きたいことが言えない。








「子供ね。」








ビクリッ。








体が震える。








「聞いてくれる?僕の話。」








「…はい。」
< 53 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop