命短き、花初恋。
「あの…」








「なぁに?」








「そろそろ、帰りたいんだけど…」








「だーめ。帰したくない。」








「だからって…このカッコは…」








「なんで?」








「こんなにくっつかなくっても…」








舞音くんは、私を後ろから抱きしめている。








「やだ。少しでもくっついて、桜を感じたい








から。」








「そんな、事っ…」








「顔真っ赤。可愛い。」








「そんなっ…耳元で…」








「耳、弱いの?」








低くて優しい舞音くんの声が私の耳を撫で








る。








まるで、心臓ごと撫でられているように。








「…やっ…あの…」








「愛してるよ…」








私は後ろを振り返る。








近くには、美しい顔。








そのまま唇を奪われた。








甘い息が漏れる。








「好き。」
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