命短き、花初恋。
桜
桜がいなくなって、1週間が経った。
僕は桜の場所を島津くんに聞いたり、
部長さんに聞いてみたりしたけど
「知らない。」
と言われるだけだった。
ピンポーン…
また来た…
僕は鍵を開ける。
「はい…また来たの?」
「はい。今は俺が先生の担当なので。」
「…島津くんじゃ、書きたくない。」
「どーせ、他の女の担当でも書きませんよ
ね?水元じゃないと。」
「わかってるなら、なんで…」
「でも。先生がそうやって書かないと、悲し
むんじゃないんですか?」
「知ってる…だけど、僕は…桜が側にいてくれ
ないと…」
「じゃあ、書いてくださいよ!あんたが書か
ないと、水元が安心できないんだよ!水元
が…」
そう言って、島津くんは言葉を呑み込んだ。
「…桜が、なに…?」
「…」
島津くんは黙り込んだ。