命短き、花初恋。
「島津くん…何か知ってるんじゃないの…?」








「…」








「言えよっ!桜はどこ!?なんで俺の元から








居なくなったんだよ!どうして…どうして…」








「…水元、もう死ぬんですよ。」








僕は耳を疑った。








「は…?何言って…」








「脳腫瘍、だそうです。」








「そんな…」








思い当たる節があった。








サイン会の時だ。








倒れたのは、ただ体調が悪かっただけじゃ








ない。








脳腫瘍を患ってたからだ。








気づいてあげられなかった…








でも…








「なんで…島津くんが知ってるの?」








「俺が良かったんでしょ。」








「え…」








「あんたは愛されてたんだよ!だから、俺に








言ったんだよ。俺は…水元の唯一の同僚だか








ら…同僚としか、思われてないから…」








「…」








「行ってやって下さい。きっと待ってます。」








そう言って、島津くんは1枚の紙を僕に手渡








す。








「これは…?」








「水元の入院してる病院です。」








「っ!ありがとう!」








僕はそう言って、駅に向かって走り出した。
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