命短き、花初恋。
「え…?」








こんな時間に、誰?








時刻はもう、午後5時30分を回っていた。








辺りはかなり薄暗い。








足音が近づいて来た。








本棚の影から、現れたのは…








「あ、いつもの図書委員さん。」








「…宮崎、舞音…さん?」








「あはは。舞音さん、って。」








「じゃあ、宮崎くん…?」








「なんでもいいよ。ところで、水元さんだよ








ね?こんな時間にどうしたの?」








水元さん…って、








私の名前、知っててくれてるんだ。








「あ、えっと…ここで、本を直してました。」








「本を?」








「はい。ボロボロなんです…誰かが、ゴミ箱








に捨てたみたいなんです…」








涙が出てきた。








「水元、さん…」








「本を…守ってあげられなかった…ごめんね…








ホントに、ごめんなさい…」








「…」








「あ…すみません。いきなり泣いて…気持ち悪








いですよね…っ!」








頭を撫でられた。








「水元さん。いい人だね。」








「…そんな、こと…」








…イケメンの破壊力っ!








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