不器用なコイビト。
だけどそんな日々は、突然…終わりを告げたのだ。
それは、4年生の時…。
「ひっこす?」
「うん、お父さんの仕事で引っ越さなきゃいけないんだって」
「もう……会えないの?」
「ううん、そんなこと無い!俺がちーに会いに来るよ」
「うん……待ってる」
小さい頃、私は大ちゃんが好きだった。
だから大ちゃんの言葉を信じ、大ちゃんのことを待った。
でも、2年経っても…3年経っても一切連絡はこなかった。
忘れよう…忘れよう……。
会えないんだから忘れよう。
ずっと、そう思っていた時に隆介に出会い、恋をしたんだ。
それから、大ちゃんの事はいつの間にか忘れちゃっていた。
「帰って……来てたの?」
「あぁ、一昨日ね」
「そ…そっか」
何年ぶりだろう…すっごく懐かしい…。
「大人っぽくなったな、ちー」
「そう?大ちゃんもね」
そんな事を言った時突然、大ちゃんが真剣な顔をして私を見た。
「だ…大ちゃん?」