不器用なコイビト。
この暖かい…だけど優しい温もり…。
顔を見なくたって分かる。
「隆………介?」
「知香、大丈夫?」
「うん」
私の安全を確認した隆介は、大介を睨みながら言った。
「知香に…何の用?」
「キミがちーの彼氏?」
「そうだけど…“ちー”?」
「あぁ、俺は知香の幼馴染なの」
「…ふーん」
バッ…。
私は、守ってくれた隆介の腕を強く振り払った。
「…何の用は隆介の方よ」
あぁ、私も同じ。
…私も一緒だったんだ。
ほんとは来てくれて嬉しいのに、
そんな簡単な言葉でさえ、伝える事が出来ないー…。