不器用なコイビト。
「…ね~、俺の存在忘れてる?」
「「!!」」
後ろからいきなり声を掛けられて、心臓がビクッと跳ねた。
「だ…大ちゃん!!」
そうだ、大ちゃんもいたんだった!!!!
「振られんぼう決定みたいだな」
「…ごめんね、大ちゃん」
「……ちー。友達に帰るって伝えてないけど平気?」
「あっ、そうだ!!!隆介、ちょっと待ってて」
そう言って私は再度、焼肉やへと入っていった。
外では、2人は呆然と立ち尽くしていた。
すると、大地がいきなり口を開く。
「……隆介君…だっけ?」
「は…はぁ」
「アイツ、強そうでそんなに強くないから」
「アイツの事は、あなたに聞かなくたって分かってますよ」
「そう?それならいいけど…………離すなよ」
「は?」
隆介が大地の方を見ながら首を傾げると、大地はニコッと笑って言った。
「でないと俺が、貰っちゃうよ」
「!!」