不器用なコイビト。
「…?」
“何だ?”と思いながら小さく顔を上げた私の前に、1人の女の子が居た。
「…アナタは…」
「1年の神埼です」
それはー…
昨日隆介の隣にいた女の子だった。
「えっと……」
私が小さく口を開いた時だった…。
「スイマセン!!!!!!」
「!!!!」
その子が思いっきりそう言うと、小さく頭を下げた。
「ちょっ……?」
「…先輩、悔しいくらい彼女さんの事思ってますよ」
「…え……」
「2日前、私図書室で本読んでたんです。それも沢山。」
それから彼女はゆっくりと話し始めた…。