不器用なコイビト。
トン…。
1階に着くと、ふとっ…リビングに目をやった。
すると、リビングののテーブルにお皿が見えた。
さっき私が作ったオムライスを入れていた皿だ。
「片し忘れてたんだ」
ボソッと呟いて、リビングの中へと足を進めた。
カチャッ…カチャッ…。
食器のぶつかる音を静かに聞いていた私は、再び泣いているのが分かった。
「……どうして?隆介。どうして触れてくれないの?」
それだけが“好き”ってことじゃないって分かってる。
だけど、不安なの。
不安で仕方ないの。