旅
ヨルは興味深そうにじっくりと女を見る。
女は何故だか寒気がした。
女「…選ばないと出られないんですよね?」
ヨル「まぁな。」
女「押し売りですね…」
ツキ「否定はしませんよ…」
ヨル「サービスで帰り、ツキに送らせるから。」
女「ありがとうございます…」
女は、ツキに送ってもらえると聞いてホッとする。
また一粒、金平糖を含む。
すると、ヨルがまた問いかける。
ヨル「その金平糖美味しい?」
女「とっても美味しいです。」
ヨル「随分、美味そうに食べるな。」
女「この金平糖凄く美味しいです!有名店のとかですか?」
ツキ「いや、普通のですよ。」
女「そうですか…」
ヨル「美味いよな。」
ヨルは沢山金平糖を口に入れ、ポリポリと噛んでいく。
女「本当に色んな事、熟せる様になるんですか?」
ヨル「なる。そうじゃないと商売できないじゃないか。」
ヨルが可笑しそうに言う。
女はツキに確認するように、ツキの顔を見る。
ツキ「必ず…」
ツキの真剣な顔に心が決まる。
女「じゃあ…お願いします。」
ヨルはニヤリと笑う。
そして言った。
ヨル「毎度あり。」