少年に勧められるまま、座る。

ツキ「正座でなくても大丈夫ですよ。」

流されるまま俺は胡座をかいた。
不思議な雰囲気の女性。
俺は仕事帰りに、何かの店だと思ってここに立ち寄ったんだが…

男「言葉屋って何なんですか?」

ツキ「えっとですね…」

左右違う目の色の少年が丁寧に説明してくれた。
ハッキリ言って、インチキも良いところな話だった。
なのに何故だか納得しかけている自分がいる。
もうパニックだ。

ヨル「訳がわからないって顔ね…」

向かい合って座った女性が、声をかけてくる。
女性の後ろには、平安時代の格好をした男性が座っている。

男「混乱しています…」

ツキ「でしょうね…」

ヨル「何か証拠をみせましょうか?」

男「え?」

女性は、男性に顔を向け言った。

ヨル「変われ。」

すると途端に、男性は一本の巻き物になった。
信じられない光景だった。
なにが起こったか整理が出来ない。

男「え…あ…」

ヨル「分かっていただけたかな?」

女性は巻き物を手にして、ニコリと笑う。
現実なのだろうか…まだ頭がついて行かなかった。

ヨル「まぁ…夢とでも思っておけば良いのでは?」

男「…そうします…」

また流されるまま、女性の言葉を受け取った。
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