旅
ヨル「貴方の欲しい言葉は?何?」
遊んでるな…ヨル。
ふざけてる感満載のキャラを目の前に見てると、吹き出しそうだ。
男「いきなり言われても…」
この人もこの人で受け入れるのが早いな…
俺の説明もすんなり聞いてたしな…
さっきの人とは違う反応に、少し興味をもつ。
ツキ「それならヨルに見繕ってもらっては?」
ヨルを指しながら、さっきの人と同じように勧める。
男性は困惑顔のまま、ヨルにお願いする。
ヨル「悩みはないの?」
男「えっと…最近…いろいろな事に失敗して…ついてないって感じで…」
ヨル「失敗?」
男「人間関係とか、仕事とか…」
ヨル「成る程ね…」
お茶を淹れて、男性に差し出す。
男「ありがとう。」
さっきの女性と違ってお茶に手を出さなかった。
「なら『熟す』はいかが?」
「こなす?」
さっきの人と同じ言葉?
確かに内容は似てるけど…どうしてだ?
「その言葉なら貴方の助けになるはずよ。」
「…………」
じっと考え込む男性はこっちの反応を待っているようだった。