言葉屋


ツキ「おい、ヨル。」

ヨル「何?ツキ。」

漫画を読んでいる者は、ヨル。
ヨルは声のする方を向きもせず、気怠げに返事をする。

ヨル「新刊出たのか?」

ツキ「…わかってて言ってるな?それ。」

ヨル「早く続きが読みたくてな〜。」

ツキ「来るぞ。」

ツキと呼ばれた者は、引き戸を指す。
全てガラスで出来た引き戸。
異妙な雰囲気を醸し出し、開かれる。

女「え?ここは?」

一人の女が佇んだ。

ヨル「ようこそ。」

女「え?」

女の戸惑った声。
それを気にせず、ヨルは告げる。

ヨル「どんな言葉がご所望で?」
< 2 / 17 >

この作品をシェア

pagetop