旅
言葉屋
ツキ「おい、ヨル。」
ヨル「何?ツキ。」
漫画を読んでいる者は、ヨル。
ヨルは声のする方を向きもせず、気怠げに返事をする。
ヨル「新刊出たのか?」
ツキ「…わかってて言ってるな?それ。」
ヨル「早く続きが読みたくてな〜。」
ツキ「来るぞ。」
ツキと呼ばれた者は、引き戸を指す。
全てガラスで出来た引き戸。
異妙な雰囲気を醸し出し、開かれる。
女「え?ここは?」
一人の女が佇んだ。
ヨル「ようこそ。」
女「え?」
女の戸惑った声。
それを気にせず、ヨルは告げる。
ヨル「どんな言葉がご所望で?」