女は困惑顔で目の前のヨルを見る。

女 「あの…ここは?」

ヨル「私の家。」

女の顔から血の気が引いていくのがわかる。

女「すいません!!酔っていたとはいえ、人様のお家に上り込むなんて…」

混乱気味に謝罪する女にツキは声を掛けた。

ツキ「大丈夫ですよ。酔ってはいらっしゃる様ですけど、そのせいでここにいるわけではないと思うので。」

そう言いながら、ツキは女をヨルの向かいに座らせる。

ツキ「まあ、酔いを覚ましましょうか。お話はそれからしましょう。」

ツキは女にお茶を差し出した。
女はお茶を飲みながら、部屋を見回す。
障子、丸窓、畳、床の間。
シンプルな和室。

そして女はヨルを見る。
髪はクシャクシャ、パーカーに黒ジャージ、ショールを羽織ってる。
整った綺麗な顔が台無しになりそうな格好だ。
年は17〜8と予想をつけた。
だが、性別がいまいちわからない。
声も低くわないが、高くもない。
体型はショールで隠れてて確認できなかった。
そして、今度はツキを見る。
黒のワイシャツ、白のベスト、暗い灰色の短いズボン。
長い白銀の髪を一つに束ねてる。
眼鏡の奥には綺麗なオドッアイの瞳。
色は青と黄色。
年は12〜13と見える。
こちらも整った美しい顔だ。

ヨル「で?どんな言葉にする?」

女「は?」

意味が分からないと、女の顔には描かれている。

ツキ「ヨル、説明しないとダメだろ。」
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