この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
*プロローグ*



心が粉々に壊れそうだったあの日。

私に差し伸べられた君の手の感触を……私は一生忘れないだろう。


「うちで一緒に暮らさない?」


差し伸べられた手は、誰よりも優しく、信じられる温かさだった。


私ときみが出逢えたのは、偶然じゃない。

たくさんの奇跡のタイミングがあって、巡り会えた必然。


「美羽のご飯は、世界一おいしいよ」

「美羽の笑った顔が、俺を元気にしてくれる」

「本当の俺を見つけてくれてありがとう」


瞳を閉じれば、瞼の裏にきみの色んな顔が浮かんでは消える。

私の大好きなサラサラな黒髪を揺らして、きみは儚げに笑うんだ。

愛おしいきみの残像が、私を甘く切なくさせて、胸を締め付ける。


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