この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「うちの学校の王子様だって、イケメンで女子生徒はみんな夢中なんだと」
「へぇ〜」
そうなんだ、知らなかったなぁ……。
あんなに追いかけられるほど人気だなんて、ちょっぴり大変そうかも。
他人事のようにそう言って、私は卵焼きを口に運ぶ。
「んー、ふっくらさが足りない……?」
「美羽は興味無いわけ?」
今日のお弁当の出来について考えていると、真琴ちゃんは呆れたように私に尋ねてくる。
「え?だって、真琴ちゃんの方がカッコイイよ」
「……なんでそうなる」
額に手を当てる真琴ちゃんに、私はクスリと笑った。
棗先輩がどれだけカッコイイのかは分からないけど……。
私の親友が一番であることは代わりないし、私の中では不動の一位だ。
「優しくて、強い真琴ちゃんが私の推しメンだもん」
「はいはい……あんがとね」
ぶっきらぼうに言いながらも、照れくさそうに卵焼きを食べている真琴ちゃんに心救われる。
「お、充分ふわふわだって、うまいよ美羽」
「嬉しい、ありがとう」
まるで恋人みたいな会話を親友と繰り広げながら、こんな穏やかな時間がずっと続けばいいのにと願った。