この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



『美羽、聖子、ありがとうな!!お父さん、生まれてきて良かった!!』


大げさなまでに喜んで、私たちを抱きしめたお父さんのことを、思い出す。


誕生日も、お母さんが死んでからはやらなくなったな……。

そうだ、お父さんの誕生日……もうすぐだ。

それすらも忘れていたなんて……ごめんなさい、お母さん……。


あの幸せな日々を、今はすっかり忘れてしまっていた。

大切な日なのにね……。

なぜこんな夢を見るのか……不思議だけど、きっと……。

お母さんが教えてくれたんじゃないか、そんな気がした。



***


「ん……」


眩しい光に、一気に浮上する意識。

身じろぎをしようとして、体が動かせないことに気づいた。


「う、ん……?」


訝しげに瞼を持ち上げると、そこには……。



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