この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「お、おはようございます……棗くん」
まっすぐな視線にドキドキしながらも、なんとか挨拶をする。
すると、棗くんはふにゃりと笑った。
「ん、おはよう……美羽」
「うっ……」
――ドキンッ
本当に、なんなんだろう……。
この、癒しの生物はっ。
心の中で発狂しながら、私は棗くんから視線をそらした。
これ以上は、心臓が止まっちゃいそうだから。
「美羽、熱は下がった?」
「あ……」
そういえば、体が軽くなってる。
熱っぽい感じもないし、これなら学校に行けそうだ。
「大丈夫みたいです」
「みたいって……出た、美羽の他人事」
「え、他人事??」
苦笑いを浮かべて、手を伸ばすと、私の額に触れる棗くん。
「自分のことなのに、他人事みたいに言うんだから。もっと自分を労らないと」
「あっ、はい……ありがとうございます」
私、無意識にそんな言い方してたんだ。
でも、棗くんって鋭いな……。
そうやって、私の強がりに気づいて、甘やかせてくれる。