この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「美羽、俺も食べていい?」

「あ、はい!」

「美羽のご飯は、いつも美味しいからね。お腹ぺこぺこだよ」


そして、普通に私に話しかけてくる棗くんは、すでにいつもの棗くんだった。

私の、気のせいだよね……。

そう思った私は、誕生日会を楽しむことにした。


「ねぇ、お父さん。お誕生日おめでとう」

「あ……ありがとうな」

「これね、プレゼント!」


私は、棗くんと買ったスニーカーを渡す。


「美羽……ありがとうなっ、お父さんは幸せ者だ」


あの日、お母さんと私が作ったケーキを前に言った言葉と同じことを言うお父さんに嬉しくなる。


7年ぶりに家族と過す誕生日。

私はこの日を、永遠に忘れないんだろう。

お父さんと向き合えた、記念日でもあるのだから。



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