この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。


「美羽、どうし……そうか、知ったんだね」


私の顔を見た棗くんは、何かに気づいたように寂しげに微笑んだ。

どうして、そんな風に笑えるの。

今までだってそう、どうして……。


「辛かったはずなのに……どうしてっ」

「俺から伝えるべきだったのに……ごめんね」

「そんなこと!!」


つい、声を荒らげて立ち上がる。

だって、こんな時にまで私を心配してる!!


「そんなことっ…どうでもいい!!」

「……美羽……」

「このまま、何も言わずに遠くへ行っちゃうつもりだったんですか……?」


泣きそうになりながら、私は棗くんのベッドに縋り付くように膝から崩れ落ちた。


「私に何も言わずに!!」

「……ごめん……どうしたらいいのか、分からなかったんだ……」


戸惑うように私の手の甲を握りしめる棗くん。

それを握り返せば、棗くんは少しだけ嬉しそうに笑う。


たったそれだけなのに……。

こんなにも幸福で、胸が切なく締め付けられる。

この人がいなくなるなんて、想像したくない。



< 150 / 223 >

この作品をシェア

pagetop