この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「それは、フォルフィリノックスって言う強い薬で、副作用も強かった。なのに……努力も虚しく、抗がん剤も効かなくなっちゃってね」


「……はい……お母さんに、聞きました」


――ズキンッ、ズキンッ。


さっき、言ってた。

耐性がついて、効かなくなったって。

だから、棗くんの余命は……もう、数ヶ月だってっ。


さっきから胸の痛みは酷くなるばかり。

そして、血の気が失せたように指先まで冷たくなっていく。


「だからね、治療はもうたくさん受けたんだ。それでも……俺に残された時間は変わらない」


「っ……そんな……っ」


「もう、抗がん剤で身動きが取れなくなるのは嫌なんだ。それなら、俺らしく生きて、後悔しないように死にたい」


それは、迷いの無い一言。

すでに、道を決めた人の……真っ直ぐな瞳だった。



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