この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「それじゃあ、ちゃんと保健室に行ってくださいね」
「ハハッ、仰せのとおりに」
初めて会ったばかりの人間に、ここまで優しく出来る。
あんな道中で、どんなに人が苦しんでいようと、声をかけてくる人間なんて誰一人いなかった。
みんな、自分のことしか考えていないからな。
でも、この子は……美羽さんだけは違かった。
「あの、また会えるといいですね」
そう言って微笑むと、彼女は試験会場へと向かう。
その背中を見送りながら、俺は心に決めた。
「何があっても、きみにもう一度会いに行くよ」
今日の恩返しをするのはもちろんだけど、何よりきみとの出会いをここで終わらせるのは嫌だった。
きみのことをたくさん知りたい。
「だから……またね、俺の天使」
今度きみに会う時までには……。
きみがしてくれたように、誰かのために、自分をも差し置いて手を差し伸べられるような……そんな強い男になるから。
そう、心に決めたのだった。