この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「本当に誰……?」

「俺は……同じ学校の、きみの先輩かな」


同じ学校……本当だ、この人も私の制服と同じ。

でも、こんなカッコイイ人なら覚えてそうだけど……。

というか、いつから傍にいたんだろう。

それに私、今は泣きすぎて顔が大変なことに……。


頭の中で、パニックを起こしていると、男の子はニコリと爽やかに笑った。


「もし良ければ、話してくれないかな」

「え……?」


男の子は私の目の前にしゃがむと、頬にある涙の跡を手のひらで無でる。


――トクンッ。

わっ……さ、触られた……。

それにしても、温かくて、優しい手だなぁ。

優しい人は、表情にも仕草にも、こんなに出るものなんだって、初めて知った。



< 16 / 223 >

この作品をシェア

pagetop