この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「知りたいんだ、きみのこと」
「私……は……」
私のこんな話を聞いても、きっと楽しくない。
それでも、知りたいのは……なぜ?
「あ、俺は須々木 棗。きみは……叶野 美羽さんだね」
「えっ、どうして、私の名前を……?」
やっぱり、どこかで会ってるのかな?
うーん、ダメだ……全然思い出せない。
「きみのことは……忘れないよ。それより、話してくれる?」
「あ、はい……」
なんだか、うまくはぐらかされちゃった。
でもきっと、どこかで見かけたことがあるってだけだ。
でなきゃ、忘れるはずないもん、こんな綺麗な顔。
「えっと……私の母親が交通事故で亡くなってから、あまり父親とはうまくいってなくて……」
私、どうしてこんなこと話しちゃってるんだろう。
同じ学校とはいえ、プライベートなことすぎるよね。
重いとか、思われたくないから必死に明るいフリをしてきた。
なのに、こんな……話したこともない先輩にペラペラ喋ってるなんて……。
先輩の纏う優しい空気が、そうさせてるのかもしれない。