この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「今日ついに、お父さんに必要無いって断言されちゃって。行き場所もなく……出てきてしまいました」
暴力のことは、なんとなく話せなかった。
というより、知られたくなかったんだ。
可哀想な子、そんな同情なんて欲しくないから。
「……そう、大変な思いでここまで来たんだね」
そう言って、先輩は私の怪我している右手を持ち上げた。
「それで、この傷はどうやったら出来るのかな」
「あっ……えっと……」
忘れてた、ここまで逃げてくるのに必死で。
だから、隠すこともせず普通に先輩と話してた。
どうしよう、なんてごまかせば……。
頭をフル回転させて嘘を考えても、いい案は浮かばない。
そして、視線をさ迷わせる私に、先輩はまっすぐ射抜くような視線を向けた。