この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
***
「わぁーっ、一面黄色いねっ」
「ハハッ、黄色いって……美羽らしい感想だな」
棗くんの車椅子を押しながらやってきたのは、電車で30分ほどの距離にある、ひまわり畑だった。
「太陽を見上げる花なんて、なんか美羽みたいだろ?」
「え、そうかな??」
棗くんは眩しそうにひまわり畑を見渡す。
その顔が、とても儚くて……。
棗くんは、太陽の光にすら、溶けて消えてしまいそうだった。
だからか、私は棗くんの横顔を、目に焼き付けるように見つめる。
「ひたむきに、辛くても……いつも笑顔で、前を向こうとする。美羽にぴったりの花だなって」
「棗くん……」
そんな風に、私の事思ってくれてたんだ……。
「ここの事、テレビのCMで見た時に、美羽と来たいなって思ったんだ」
風に揺れるひまわりを見つめながら、棗くんが微笑む。
それに、胸がいっぱいになった。
「私も、棗くんと見られて嬉しい」
本当に、この景色……一生忘れない。
棗くんと見たものは、全部私の中に残すんだ。
「美羽、俺は……美羽のために何かできてる?」
「え……?」
棗くん言葉に、私は首を傾げた。
どうしてそんなことを突然言ったのか。
不思議に思って、車椅子の前に回り込んでしゃがみ込む。