この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「美羽さんは、単刀直入に聞かないと、本心を隠してしまうみたいだ」
「……えっと……」
その通りかもしれない。
だけど、だからってこんなこと……知られるのが怖い。
私を、可哀想な子だと思うのかな、先輩も。
その瞬間から、私はみんなより劣っている、価値のない存在になってしまうように思えて怖いんだ。
「本当は……色んな怖い思いをしたんだね」
でも、先輩の手も、声も優しい。
この人の瞳は、私をまっすぐに見つめてくれてる。
なんとなく、ただ不思議と……この人を信じられると思った。
「あ……ごめんなさい、本当は、お父さんの暴力から逃げる為でも……あったんです」
「……そうか、痛かっただろう、辛かったね」
そう言って、先輩はハンカチを取り出すと、私の右手に器用に巻いてくれた。