この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「棗くんが私のために何かしようとしてくれるのは嬉しい……。でも私は、棗くんがいてくれるなら、何でも嬉しいんだよ」
少しでも長く、私の傍にいてくれるだけでいい。
それが、どんなに幸せなことか……。
「っ……本当に……美羽には敵わないな……」
「たまには、私も棗くんの役に立ちたいんだ」
泣き笑いな棗くんの前髪を持ち上げて、私はそっと、額にキスをした。
「美羽無しじゃとっくに生きられないよ、俺は。美羽だけが、俺の生きる希望だから」
「棗くん……あのね、私にとっても棗くんは生きる希望だよ」
車椅子に座る棗くんの手を両手で握る。
随分と浮腫んでしまったその手も、私にとっては変わらず優しい……大好きな人の手だ。
「私がお父さんのことでボロボロになってた時、私は本当に世界でたった一人なんだって思ってた……」
「美羽……」
「でもね、棗くんが私を見つけてくれたの」
月が綺麗な夜の……私と棗くんとの出会い。
絶対に忘れない、私を救いだしてくれた人のこと。