この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「棗くんが……誰かに頼ったり、無条件に優しくされることの幸せを教えてくれた。それに、こんなにも誰かを想うことも……」


人を好きになることが、こんなにも愛おしいことだったなんて……。

私は棗くんに出会わなければ、一生知らなかったかもしれない。


「棗くんは、私にたくさんの幸せをくれてる。だから、棗くんは私の傍にいてくれればいいんだ」

「……美羽……俺、もう泣きそうだ」


そう言って、車椅子から棗くんが私を抱きしめる。


「泣いてもいいんだよ」


これも、棗くんが私に言ってくれた言葉。

辛い時に、笑顔の裏に隠さず頼ること……。

そんな強がりの鎧を、棗くんが解き放ってくれた。


「ん、ありがとな……美羽。どんな姿を見られても、美羽にならいいやって思える。だって美羽は……」

「うん、棗くんのどんな姿も……大好きだから」


棗くんの言葉の続きを、私は伝えた。

すると、棗くんはふわりといつもの笑顔を浮かべて、私の頬に手を添える。


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