この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
そして、引き寄せられるように唇を重ねた。
そよそよと凪ぐ風の中、私は棗くんの温もりに集中する。
「大好きだよ……美羽」
「私も……」
大好き、そう答えようとした瞬間……。
「うぐっ……うぅっ」
棗くんが、お腹を抑えて苦しみ出した。
「棗くん!?」
そんな棗くんに、私は鞄から薬を探す。
痛み止めを手に取って、ペットボトルの水で棗くんに飲ませた。
「ゲホッ、ゲホッ……うぅっ……」
「棗くんっ、棗くん!!」
なのに、痛みは引くどころか強くなっていってるみたいだった。
私は慌てて携帯を取り出し、震える指で何度も番号を押し間違えながら、救急車を呼ぶ。