この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
***
棗くんは、救急車に運ばれてそのまま入院になった。
駆けつけた棗くんの家族に、私は頭を下げる。
「すみません、私が外に連れ出したから……っ」
あんな状態で、無理させたのかもしれない。
本当に、申し訳ないことをしてしまった。
頭を上げられずにいると、ポンッと肩に手を置かれる。
顔を上げれば、そこにはお父さんの笑みがあった。
「むしろ、俺達は美羽さんに感謝しなきゃいけない。辛いだろうに……あの子の傍にいてくれるんだから」
「お父さん……っ」
「本当に、美羽さんにお嫁さんに来てほしかったよ」
悲しげに微笑む棗くんのお父さん。
その声は震えていて、ここにいる誰もが棗くんに生きていてほしいと強く願っているのだと感じる。
だからね、棗くん……。
勝手にいなくなったりしちゃ駄目なんだよ。
ずっと……傍で生き続けて………っ。
「今から、お医者さんの話があるの。美羽さんも聞いてくれない?」
「いいんですか?」
お母さんの提案に、お父さんも頷く。
そして、杏ちゃんは私の手を握った。