この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
***
病室で、私は眠る棗くんの傍へと寄る。
棗くんの家族は、入院の準備をするために一度家へと戻った。
近くの丸椅子に座って、棗くんの手を両手で包む様に握りしめる。
「棗くん……どうして、棗くんだったのかな……」
残された時間は、あまりにも少ない。
苦しんでいる棗くんに、今私は……何が出来る?
傍にいることは出来ても、こうして言葉が交わせないのなら……。
意味が無いんじゃないかって、不安になる。
「本当に……ごめんね、弱虫で……っ」
ポタリと、涙が頬を伝って落ちた。
棗くんが教えてくれたのにね、ただ傍にいてくれるだけでいいって。
「棗くん……っ……逝かないでっ……」
こんなこと言ったら、棗くんを苦しめるって分かってる。
だけど、我慢出来なかった。
吐き出さなきゃ、辛くてどうにかなりそうで……。