この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「美羽、俺は美羽がいなかったら……とっくに死んでたと……思う」

「え……?」


棗くんは私を見つめたまま、そう言った。

それに私は静かに耳を傾ける。


「俺はね、病気だと分かった時、真っ先に浮かんだのは、美羽のことだった」

「私のこと……?」

「うん……美羽に恩返し出来てないなぁ……って。再会してからも、この子のために生きたいってね……」


そっか……棗くんは、そんなことを考えてくれてたんだ。

出会った時から、死の恐怖に襲われながらも、私を救おうとしてくれた。

優しくて強い……私の大好きな人。


「美羽の存在が……俺の、生きる理由になってた……」

「っ……棗くんっ……」


それは、私にとっても同じ。

棗くんはもう、私にはなくてはならない存在で、生きる理由になっていた。



「きみは、俺の天使なんだ」

「天使……?」


意味を尋ねようと聞き返すと、棗くんは私の手を引いて、そのまま棗くんの胸に引き寄せられる。


< 200 / 223 >

この作品をシェア

pagetop