この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「ご両親ですね、強い痛みに、モルヒネの量を増やして使う必要があります」
すると、お医者さんが棗くんのお父さんとお母さんに諭すように告げる。
その静かな物言いに、私は怖くなった。
一体……何を言うつもりなんだろう……怖いっ。
「ならそれを使って下さい!!」
「……おそらく、今それを使えば、棗くんはこのまま眠るように亡くなるでしょう」
お父さんの言葉に、容赦ない一言が告げられる。
嘘……このまま、棗くんが……死んでしまう?
そんなの……そんなの、絶対に……嫌っ。
「ですが、このまま苦しんで亡くなるより、ずっと棗くんのためになります」
「そんなっ……そんなの、選べるわけないわっ……」
その場に泣き崩れるお母さんに、杏ちゃんは縋り付いて泣いていた。
「うっ……ううっ、くっ……」
「棗くん……っ」
私は、苦しんでいる棗くんの姿を見つめる。
今、棗くんはとてつもない、痛みに耐えているんだろう。
そして、どちらにせよ、棗くんは明日を迎えることは出来ない。