この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



たくさん泣いて、やっと涙が止まった頃。

私は、先輩の腕の中で頭を悩ませていた。

どうしよう、こんなに泣いちゃって、恥ずかしい。

なんて言って離れたらいいのか分からない。

意識したら、男の人に抱きしめられて泣くなんて、自分でも大胆な行動だった。


「うぅ、どうしよう……」

「ふっ、もう大丈夫そうだね」


すると、腕の中で緊張感している私に気づいたのか、先輩はクスクス笑いながら、私をその腕から解放した。


やだ、緊張してたのバレてたなんて恥ずかしい……。


「あっ、ご、ごめ……ありがとうございました」


ごめんよりありがとうが良いって言ってたのを思い出して、慌てて言い換える。


「どういたしまして」


そんな私を、先輩は優しい眼差しで見つめていた。

そんな先輩の視線がくすぐったくて、そっと逸らす。

すると、すぐ近くで先輩が立ち上がった。



< 21 / 223 >

この作品をシェア

pagetop