この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。

Episode2:不思議な人

【美羽side】


――ガチャン、キィィ……。

「お邪魔します」


やってきたのは、学校からすぐ近くにあるマンションの一室。

家族で住むには小さい気がするけど、今はそんな家庭もあるのかな……。

部屋を見渡せば、ベッドや冷蔵庫などの家具は黒のモノトーン調に統一されていて、まさに男の人の部屋って感じだ。


「どうぞ、俺しかいないから、気を遣わなくていいよ」

「え、須々木先輩しかいないんですか!?」


どういうこと??

ってことは、先輩と二人きり……。

それって、ものすごくマズイのでは??



「あの、ご、ご両親は……」

「あぁ……色々あってね、今は別々に暮らしてるんだ」

「え、別々に……??」


そう言った先輩の顔は、少しだけ影っていたように見える。


「ほら、美羽さんこっちに座って」

「あ、はい……」


だけど、追及しちゃダメだよね。

先輩も聞かれたくなさそうだし……。

話をそらそうとしてる、これ以上は話す気は無いってことだ。


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