この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「大変です、棗くん……」
「え、どうしたの??というか、顔色悪いけど……大丈夫?」
棗くんが心配そうに私の顔をのぞき込んでくる。
これは……これは一大事だ。
「王子様だったんですね、棗くん。そんな素晴らしい人と一緒に暮らすなんてっ、私絶対に殺される!!」
主に、うちの女子生徒に!!
あの、目を血眼にして探す女子生徒の姿を思い出して、背筋が凍った。
そんな私に棗くんは目を点にすると、すぐに「ぶっ!!」と吹き出した
「ははっ、それで悩んでたんだ?ぷっ、くく……美羽は表情がコロコロ変わって面白い」
「えっと……棗くん、笑い事じゃないですよ…」
私の明日からの学校生活が、おぞましいものになるかもしれないのに!!
「大丈夫だよ」
棗くんは優しく笑って、私の頭をポンポンと無でる。
それに、私は目を見開いた。
棗くんの大丈夫って、どうしてこんなに私を安心させるんだろう。
まるで……魔法の言葉みたい。