この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「美羽、こっちおいで。そこに立ってると疲れちゃうよ」
「あ、はい……」
ゆっくりと棗くんに近づくと、ポンポンとソファーを叩く。
これは、隣に座れってことだよね。
それに素直に従うと、棗くんは準備していたのか、ドライヤーを手に私の髪を撫でた。
「棗くん……?」
「ほら、前向いて」
前向いてって、棗くん何して……。
――ゴォォォォッ。
ドライヤーの風が私の髪に当たって初めて、棗くんが私の髪を乾かそうとしていることに気づく。
「ええっ!?じ、自分で乾かせます!!」
「いいから、俺にやらせて?」
振り返ると、笑顔で私の髪を乾かす棗くん。
学校の先輩、それも王子様に髪を乾かしてもらってるなんて……やっぱり恐れ多いっ!!
ガチガチに固まっていると、後ろで「クスッ」と棗くんが笑ったのが分かった。