この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「あぁ……いい青空……」
家を出れば、晴れ渡る青空に目を奪われる。
梅雨の続く6月にしては、珍しい快晴だった。
家から学校までは徒歩で20分ほどの距離にある。
私は胸元まで伸びた色素の薄い天然パーマの髪を手で撫で付けた。
湿気が強い日は、これがさらにクルクルするから大変だけど……。
どんなに嫌なことがあっても、今日は晴れている天気や髪の調子に少しだけ心救われた。
***
「おはよ、美羽」
2年B組の教室へやってくると、私に気づいた真琴ちゃんが私に手を挙げた。
真琴ちゃんこと、宮木 真琴(みやぎ まこと)ちゃんは、陸上部エースで中学1年生からの親友。
お父さんからつけられた私の体の痣に気づいて、声をかけてくれたのがきっかけで、私の家のことを知る唯一の存在だ。