この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。


「あぁ……いい青空……」


家を出れば、晴れ渡る青空に目を奪われる。

梅雨の続く6月にしては、珍しい快晴だった。

家から学校までは徒歩で20分ほどの距離にある。

私は胸元まで伸びた色素の薄い天然パーマの髪を手で撫で付けた。

湿気が強い日は、これがさらにクルクルするから大変だけど……。

どんなに嫌なことがあっても、今日は晴れている天気や髪の調子に少しだけ心救われた。


***


「おはよ、美羽」


2年B組の教室へやってくると、私に気づいた真琴ちゃんが私に手を挙げた。

真琴ちゃんこと、宮木 真琴(みやぎ まこと)ちゃんは、陸上部エースで中学1年生からの親友。

お父さんからつけられた私の体の痣に気づいて、声をかけてくれたのがきっかけで、私の家のことを知る唯一の存在だ。



< 5 / 223 >

この作品をシェア

pagetop