この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
***
棗くんとショッピングモールに行った私たちは、夕飯の食材や、必要な物を買い揃えてマンションへと帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえり、美羽」
一緒に帰ってきたのに、棗くんはおかえりと言ってくれる。
もう、ここ何年も聞いていなかった言葉だった。
「あっ……」
それに、胸がいっぱいになると、頬に温かいものが伝う。
そんな私を見つめて、棗くんは廊下に荷物を置いた。
そして、そっと私を引き寄せると、ギュッと抱きしめる。
コロンの匂いなのか、ふわりと優しい花の香りが、棗くんからした。
「これからは、何度でも美羽におかえりと、ただいまを言うよ。だから……美羽のことを待ってる人がいるってこと、忘れないで」
あ……そっか、棗くんは私の寂しい、悲しいって気持ちに、気づいてくれたんだ。
棗くんは、私の欲しい言葉をくれる。
それにたまらなく嬉しくて、涙は止まらなかった。
「ね?」
「うぅっ……はいっ……」
抱きしめられながら、優しく髪を梳かれる。
それに、悲しい気持ちが少しずつ軽くなっていくのを感じた。