この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「ありがとうございます、棗くん……」

ズビッと、鼻水を啜りながら、制服の袖で涙をゴシゴシと拭う。

すると、その手をやんわりと掴まれた。


「あんまり擦ると、赤くなるよ」


そう言って、今度は棗くんの服の袖で優しく押さえるように涙を拭ってくれる。


「なにからなにまで……ごめんなさい」

「こら、謝らないの。美羽は、もっと俺に我儘を言ってもいいくらいなんだよ?」

「もう、十分すぎるくらい我儘です、私」


泊めてもらって、こうして慰めてもらってる。

これの、どこが我儘じゃないって言うんだろう……。


「ほら、中に入ろう。一緒に映画でも見ようか」

「はい……」


棗くんは、荷物を片手に持って、空いた方の手で私を部屋へと促す。

そんな棗くんの優しさに、私はまた泣きそうになった。


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