この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。


***


昼休み、真琴ちゃんと一緒に中庭のベンチに座った。

この裏庭は、池とその中を泳ぐ鯉がいるくらいで、殺風景だからか生徒達があまり寄り付かない。

男子達は昼ごはんを食べ終わるとグラウンドの方に出るし、女子は教室でお喋りが定番だ。


「天気が良い日は、外で食べた方がおいしいのに」


ピクニックだよ、それも学校で。

外に来るだけでいつもと違う空気を味わえるし。


「美羽、弁当食べたい」

「あ、うん!どうぞどうぞ!」


私は手作り勉強をカパリと開けてズイッと真琴ちゃんに差し出す。

今日はだし巻き卵に鮭、ひじきと大根の煮物、桜えびと大豆の水煮だ。


「……美羽、これお重……?」

「え?あ、真琴ちゃん、お赤飯もあるよ」

「…………」


ポカーンとする真琴ちゃんに、ちょっと張り切っちゃったかなと思う。

だって、料理は楽しい。

食べてくれる人がいてこその料理だから。

お父さんは……朝ごはん、食べてくれたかな?

ほとんど、お父さんは私の作ったご飯を食べずにゴミ箱に捨ててる。

お父さんはお酒とおつまみしか食べないから……。


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