この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。

Episode5:きみの笑顔がみたいから

【美羽side】


お父さんと会った日の翌日。

私は、いつもより重い瞼をゆっくりと持ち上げた。


「…………」


すると、いつもなら隣にある棗くんの寝顔が無い。

途端に不安になって、棗くんが寝ていたであろうシーツに手を伸ばした。


まだ温かい……棗くん、どこに行っちゃったんだろう……。

体を持ち上げて、ベッドの上に座ると、体の節々が痛む。

それに、どこか熱っぽいような……。


「美羽、目が覚めた?」


すると、起きてきた私に気づいたのか、棗くんが傍にやってきた。

それに、途端に泣きたくなる。


「……棗くん……っ、良かった……」

「美羽……」


ジワリと滲んだ涙を堪えながら、棗くんを見上げると、棗くんは私を見つめて、目を見張った。



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