この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「棗くんは……優しすぎます……」
「優しい俺は、お気に召さない?」
軽く冗談を言うみたいに笑う棗くんに、私は小さく微笑んで首を横に振る。
「いえ、そうじゃなくて……」
優しくされることが、堪らなく怖い。
優しさを求めて、必死に尽くしてきた私にとって……無償な優しさほど怖いものは無いんだ。
「うん、美羽は優しくされることに慣れていないから……もっと慣れていかないとね……」
そう言って、優しく私に触れる手に、ひとしずく涙が零れる。
「大丈夫だよ」
「は……い……」
そう言って、棗くんが私の頭を撫でるから、ホッとしてゆっくりと瞼を閉じた。
自分でも思いのほか疲れていたみたいだ。
でも、学校に連絡もしなきゃいけないのに……。
そう思いながらも、やってきた眠気には逆らえず、私はそのまま眠りについた。