この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「ん、うまし」
「へへっ、良かった」
真琴ちゃんはモグモグと口を動かして、グッドと、親指を立てたポーズをする。
それに満足していると、目の前に人だかりが出来た。
「キャーッ、どこ行っちゃったんだろう棗くん!!」
「こっちの方に行ったと思ったんだけどなぁっ」
何人もの女子生徒がピクニックをしている私たちの前を通過していく。
「棗くんって、誰?」
「たぶん、須々木 棗(すすき なつめ)先輩のことじゃない?」
須々木 棗先輩……?
ってことは、3年生だよね。
「真琴ちゃんの知り合い?」
「なぜそうなる、棗先輩のことはみんな知ってるでしょ」
「へ、なんで??」
そんなに有名な人なの?
うーん、棗の『な』の字もひっかからないや。