この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



ゴクリと……唾を飲み込む。

棗くんがせっかく作ってくれたお粥だもん。

食べなきゃ……よし、どうにでもなれっ。


「はむっ……」


驚異的な色をしたお粥を、棗くんの手から口に含む。

なのに、訪れるはずの衝撃は来なかった。


あ、あれ……??


もぐもぐと口を動かせば、普通にお粥の味がする。

しかも、なんだか分からないけれど、美味しい。


「棗くん、これ……何で味付けしたんですか?」


言葉にはできない、絶妙な味。

だけど、美味しいって……すごい。


「うん?んー、色々入れたから、覚えてないんだ」

「そ、そうなんですね……」


入ってるものは……これ以上聞くのをやめとこう。

せっかく"味は"美味しいんだし、それでいいよね。


自分にそう言い聞かせて、私は棗くんのお粥を食べる。



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