Love Birthday‥~約束~
だけど、現実は俺の思いとは関係なく勝手に進んでいく。
いくつもの検査を受け、俺の体も心もへとへとになっていた。
それなのに、検査を終えて病室に戻った俺を待っていたのは、さらなる厳しい現実だった。
「こんにちは、吉田君。
大変な事故にあったわね。調子はどう?」
大学教員の佐々木先生が、菓子折を持って病室に来ていて、
親父は慣れない手つきでお茶を出していた。
「こんにちは」
やっと漕ぎ慣れてきた車いすを前に進めながら愛想なく答えた。
今の俺にとっては精一杯の言葉。
佐々木先生の言葉が他人事のように聞こえて、なんだか腹の中がむかむかする。
たしかに俺の体のことだから佐々木先生にとっては他人事だ。
けど、それでも俺の苛立ちは収まらなかった。
きっと今の俺は、何を言われても同じようにイラつくんだろうけど。