Love Birthday‥~約束~
「今日は、吉田君の今後のことを確認するために来ました」
早速それかよ。
結局俺の心配じゃなく大学の仕事のために来てんじゃないか。
佐々木先生の長い髪が揺れるだけでも俺の苛立ちは増していく。
「まだ答えられません」
佐々木先生を睨みつけるように言った。
「そう……そうよね。
だけど、大学側としては吉田君は3年生で今とても大切な時期だから今後のことを早く決めてもらいたいの。
他の3年生はもうすでに国家試験にむけて勉強に励んでいるわ」
んなことわかってるよ。
実習が終わったら俺だって国家試験の勉強しようと思ってた。
「こんなことを言うのは酷だけど、今の吉田君にとって一番大切なことは自分の体のケアをすることじゃないかしら。
その後でまた理学療法士を目指しても遅くないんじゃない?」
何言ってんだよ。
佐々木先生に俺の何がわかるんだ。
俺のこと何も知らないくせに、俺のためのようなこと言いやがって……。
もう俺のイライラは限界で、俺を見下ろしながら話す佐々木先生に怒りをぶつけようとした。
だけど、俺より先に口を開いたのは口下手な親父だった。