Love Birthday‥~約束~



あの夜、俺は超えてはいけない一線を超えそうになった。



サッカーゲームで疲れて寝た時、目が覚めると愛実が起きていた。


寝ぼけながらも俺は他の奴らが眠っていることを確認して、愛実の鼻にキスをしたんだけど……

本当は愛実の唇に触れてみたかった。



俺の唇が愛実の唇に触れる寸前までいって、俺は唇の行き先を愛実の鼻に変えた。



怖くなったんだ。


愛実を傷つけるんじゃないかって。


愛実が離れて行くんじゃないかって。



結局は最悪なパターンで愛実の唇を奪う形になっちまったけど……。




本当は、俺だってあんな形で初めてのキスをしたくなかった。


だけど、どうしようもなかったんだ。


愛実が森と楽しそうに携帯番号を交換してる所を見て無性に腹が立って。

そのうえ、久美子ちゃんをふった俺を愛実は責めたんだ。



今思えば俺は嫉妬してたんだろうけど、

あの時の俺は、嫉妬だなんて気づけなかった。


ただ、愛実が遠くにいってしまうように思えて、怖かったんだ……。





< 119 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop